孤独死
母の兄、叔父は一生涯独身を貫き通した、最後は孤独死をしてしまったが、私を大変可愛がってくれた。
亡くなった叔父の第一発見者は母だった。お盆の時期、仏様用の花を持って叔父の家に訪れ、身動きしない叔父と対面する。
慌てた母はそのまま叔父の家を後にし自宅へ帰ってきてしまう。そして私の携帯に電話をかけてきた。「おじさんが死んでいる」と
取りあえず、叔父の家で落ち合うことにする
部屋に入ると死臭がした
叔父はいつものリクライニングチェアにもたれかかるように座り、スノーノイズが映るテレビを観ていた。
とうてい生きているようには見えなかったが、呼びかけてみたりした。返事は無い。
119番に連絡すると救急車では無く消防車がやって来た。消防隊員の人は叔父を一目見て、これはもう駄目だよと言った。
程なく、救急車、パトカー等がやってきて大騒ぎになる。
私と母は居間から出ないように言われ、長いこと待たされた。
やがて、刑事さんがやってきて色々なことを聞かれた。
叔父の死体は警察署に持っていかれ、検視が行われた。
死因は脳溢血だった。
死後一週間たっていた。
遺体の状態が悪く、葬儀などやらずに荼毘に付された。
私の遺体は一週間で発見されるだろうか。
なお、最後に叔父が観ていたビデオは黒澤明監督の「生きる」であった。